LABO. NOTE ハイライトラボ 公式ブログ

【初心者向け】F値(えふち)ってなに?日本一わかりやすく解説

カメラを勉強していると、「え?なにそれ?」っていうような用語が出てきますよね。
今回はその用語の中の1つ、F値(えふち) を紹介。写真をやる上で大事なワードなんですが、初心者にはどうもとっつきにくいんですよね…。

この章では、F値の基本について分かりやすく解説していきます。

この記事を書いたひと👇

F値とは?:そのレンズの「光の取り込みやすさ」を表す


レンズのF値とは簡単にいうと、レンズがどれだけ光を取り込みやすい状態かを表す数値です。
...ちょっと漠然としてますね(汗)。もう少し具体的にしましょう。



まず、綺麗な写真を撮るためには、適正量の光をカメラに取り込むことが大切。光が適正量より少ないと、薄暗い写真、逆に多いと全体的に白っぽい写真になってしまいます。

で、実はレンズの中には、今お話した「光の量」を調節してくれる、絞り(しぼり)という装置がついています。絞りはレンズの内側にあって、開いたり閉じたりすることで光の量を調整してくれるんです。

▼レンズの絞りが動く様子(動画)




「ふむふむ、“絞り”っていうのがあるのね。」
そう、この絞りの存在を知っているだけで、F値の理解が深まります。

そして本題のF値は、この絞りの開き具合をあらわす数字なんです。



厳密にはF値には計算式があって、「焦点距離 ÷ レンズの有効口径(=絞りの開度)」っていう公式があるのですが、F値=絞りの開度 と考えてOKです。

F値はカメラマンが自分で好みに調整できます。カメラ側でF値の設定を上げたり下げたりすると、絞りが開いたり閉まったりして、取り込む光の量を調整できます。


F値と光の量の関係

ちなみにカメラ初心者の方は、カメラの撮影モードを「オート」で撮る方が多いと思います。オートモードの時はカメラが自動でF値を調整して、最適な光の量に調整してくれています。

F値で写真の出来栄えが変わる?

F値は「絞りの開度」で、明るさを調整するものだと分かりました。
ですが、実はF値は、明るさ以外にも写真の写り方に影響します。

それは、写真の「ボケ感」です。



皆さんが思うおしゃれな写真は、どんな写真ですか?

例えば人物の写真であれば、
モデルさんがしっかりと写ってて、その背景がほわ〜っとかすんでいる、そんな写真をおしゃれで素敵に感じるかと思います。

この背景のかすみのことを「ボケ感」というのですが、ボケ感はF値を下げると現れやすくなります。



正確にはF値を下げると“ピントが合う奥行き幅”を狭くなります。なので背景だけでなく、手前にあるものもボケて写りやすくなります。この奥行きの幅のことを、カメラ用語では「被写界深度」って言いますね。



このように明るさ調整だけでなく、写真の出来栄えにも効いてくるのが、このF値なんです。

F値の設定範囲について

F値は明るさボケ感の調整役、ということを説明しました。これでだいぶF値に詳しくなりましたね!



で、F値は自分でお好みで調整できる、とお話しました。
自由に調整できるということは、明るさもボケ感も「思いのまま」にできる、ということです。


「だったらF値をドーンと下げて、背景ボケボケのおしゃれなの写真撮りまくるぜー!」
って思うかもしれませんね。



ここで1つポイントなのが、F値の調整幅(どこまで下げれるか)はレンズによって異なる という点です。



レンズの商品名や型番を見ると、「F1.8」とか「F4」ってな感じで、F値の数字が含まれています。このF値は、そのレンズで設定できる最小のF値を表しています。

なので、F4のレンズを使った場合はどう頑張ってもF値を4より下げることができません。この点、理解しておきましょう。



ちなみに、このF値の下限値が小さいほど絞りが開く=光を取り込みやすいレンズなので、F値が低いレンズのことを「明るいレンズ」と言ったりします。

まとめ



レンズのF値について、かなり理解が深まりましたね!
今回のお話をまとめると、

①レンズには光の量を調整する「絞り」がある

②F値は絞りの「開度」のことで、下げると絞りが開く

③同時に、F値を下げるとボケ感も出やすくなる

④F値の下限値はレンズによって異なる



ちなみにF値の下限値のことを、カメラ用語で「解放F値」といいます。解放F値が低いレンズは、暗いところでも綺麗に撮りやすくて、しかもボケ感も出やすいので、カメラマンにとても人気があります(人気がある分、価格も高くなります)。



今度カメラ屋さんに行った時には、今回お話したことを思い出しながらカメラコーナーを散策してみてください。

今まで「え?何が違うの?」
「なんで同じレンズで〇十万円も値段に差があるの?!」

こんなふうに見えていたレンズたちの見え方が変わって面白いと思います。



まだまだ奥が深いカメラの世界ですが、少しずつ、楽しみながら(←これが一番大事!)レベルアップしていきましょう!


ではでは♪