LABO. NOTE 〜スポーツ写真屋さんの研究記録〜

コスパ高い!? スポーツ撮影初心者に薦める“非純正レンズ”とは?おすすめの望遠レンズ3選も紹介

野球の写真撮影に挑戦したいけど
純正レンズが高額すぎる!

息子のサッカーを撮りたくて
一眼カメラ買ったけど、
レンズって純正じゃないとダメ?

スポーツ写真の初心者なら誰もがぶつかる
この悩み・疑問を解決していきます。

1.はじめに 〜レンズの純正・非純正ってなに?〜

まずはじめに

「純正レンズ」

とは、カメラメーカーが自社製品として開発・製造・販売しているレンズのことです。
たとえば、一眼カメラのメーカーの1つに「ソニー」がありますが、

・ソニーの一眼カメラ用にソニーが開発したレンズは、ソニーの

「純正レンズ」


・キヤノンの一眼カメラ用にキヤノンが開発したものは、キヤノンの

「純正レンズ」


ということになります。



一方、今回のメインテーマである「非純正レンズ」とは、カメラメーカー以外の会社が製造しているレンズのことで
“サードパーティー製レンズ” または、
“サードパーティーレンズ” とも呼ばれています。



非純正レンズの最大の魅力は、

高価な純正レンズに比べて手頃な価格で購入できる

ことです。中には純正品と遜色ない画質・機能を備えたレンズもあり、スポーツ写真の初心者さんにとってはいきなり30万円以上もするような高額レンズを購入する必要がなく、魅力的な選択肢です。

また、メーカーによっては純正メーカーより幅広い種類のレンズをラインナップしているので、用途に合わせたレンズを選べる点も大きな利点です。

2.非純正レンズメーカーのお話

カメラメーカーがいくつかあるのと同じように
非純正レンズのメーカーにも種類があります。

主要なメーカーとしては以下の3社が有名です。

Sigma(シグマ)

日本のメーカーで、高コスパで高画質なレンズが人気です。3つのラインナップが用意されており、コスパ重視の“Contemporary(コンテンポラリ)”、画質重視の”Art(アート)”、そして
オートフォーカスの速さや望遠性能に特化した“Sports(スポーツ)でさまざまなレンズを展開しています。

Tamron(タムロン)

こちらも日本の老舗メーカーで、広角から超望遠までラインナップが充実しています。VC(手ブレ補正)機能搭載のレンズが多数あり、手ブレ対策に優れています。

Tokina(トキナー)

日本のメーカーで、特に広角レンズが名品揃いです。広角レンズを中心に、フルサイズ一眼レフ対応のレンズを数多く発売しています。

これらの非純正レンズメーカーは、どれも純正レンズに比べてコストパフォーマンスに優れていることが強みの1つです。

純正レンズとの違い

主な違いとしては、以下の2点が挙げられます。

価格が安価

繰り返しになりますが、非純正レンズは純正品に比べて価格が抑えられているのが特徴です。
開発や生産コストを抑えることで、同等の性能のレンズを割安な価格設定で販売しています。

性能が純正レンズより劣る場合がある

純正レンズはカメラメーカーが自社のカメラと合わせて設計しているため
カメラの性能を100%発揮してくれます。
一方、非純正レンズは外部のメーカーが開発している分

カメラの細かい機能・性能が発揮されない場合があります。



例えば、スポーツ撮影において重要な
「オートフォーカス」「連写速度」は
非純正レンズが純正レンズより劣るケースがあります。

レンズメーカーの立場の違いから、全く同じ性能の
レンズを作ることは難しく、どうしても性能の差はあります。

ですが現在は非純正レンズメーカーも高い技術を持っているため
「非純正だから性能が悪い」「安い分しょうがない」
といった、いわゆる“安かろう悪かろう”な製品
ではないので安心してください。

コスパに優れた非純正望遠レンズ3選

“非純正レンズ”とはどんなレンズ?
“純正レンズ”との違いは?
といったお話をここまでしてきました。

非純正レンズメーカーからも
野球・サッカーなどのスポーツ撮影に適した
望遠レンズが販売されています。

スポーツ撮影を始める第1歩にもピッタリの
コスパに優れた望遠レンズの例を紹介していきます。

Tamron 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD (ニコン用/キヤノン用)

価格は約6万円前後と手頃ですが、VC(手ブレ補正)機能付きで描写力能も高く評価されています。

Sigma 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM (ニコン用/キヤノン用)

約14万円前後と少し高めではあるものの、純正の超望遠レンズと比べるとかなりお得なレンズ。

600mmまでの超望遠域をカバーし、手ブレ補正機能も備えている優秀なレンズです。

Sigma 150-600mm F5-6.3 DG DN OS SE (ソニー用)

上で紹介したSigma 150-600mm望遠レンズのソニーカメラ用モデル。
価格はキヤノン・ニコン用と比べて3万円ほど高いのですが、上質なスポーツ写真も撮れるレンズで、ソニーのカメラが人気であることも影響し人気のレンズです。

非純正レンズはさまざまなラインナップがあるため
ここではほんの一部だけ紹介しました。

野球・サッカー・ラグビーなどの屋外スポーツの
撮影に挑戦するなら、非純正レンズのラインナップの中で
「超望遠」というカテゴリー、具体的には

焦点距離(レンズに記載されている“〇〇mm”の数字)が
400mm以上のものから探すのが良い

でしょう。

非純正レンズを購入するときの注意点

純正レンズとの差をあらかじめ知っておく

非純正レンズは純正レンズに劣らないスペックを備えていますが
全く同じ性能を発揮するものではありません。

商品として別のモノである以上、何かしらの差はあります。
その差をしっかりと確認し、知った上で
「その差はあまり自分にとって重要ではない」
と判断できるなら、非純正レンズを選択するのが良いと思います。

使い勝手の違いを実際に確かめる

これは非純正レンズを買う場合に限らずですが、購入する際は必ず「実際に触れてみる」ことが失敗しないための基本です。

最近はカメラもレンズもネット注文で簡単に購入できるので、外観の写真やレビューをみただけで購入を判断する人も多いです。

それが悪いことではありません。
ですが、自分に合ったものを確実に手に入れる為には、ネット上の情報を信じるだけでなくカメラの量販店などで実際にモノを見て、触ってみて確かめてみることが大事です。

非純正レンズと純正レンズの違いは商品の紹介ページやレビューサイトには出てこない情報もあります。

例えば、望遠レンズにはズーム量を調整するときに回す
「ズームリング」が付いていますが、

ソニー(純正)のズームリングと
シグマ(非純正)のズームリングは
回す方向が逆になります。
(遠くにズームするとき、
ソニーは「時計回り」、シグマは「反時計回り」に回す設計)


こういった細かい違いは商品ページを見てもなかなか知ることができません。
ですが、実際にそのレンズを見てみれば簡単にわかることです。

(しかもこの違いに関していうと、スポーツ撮影のような速い被写体の撮影には影響が大きいです)


非純正レンズ、純正レンズどちらを選択するにおいても
まず実際に試してみることが、レンズ選びに失敗しないために大切な心構えです。

まとめ

非純正レンズは、純正レンズに比べてコストパフォーマンスに優れているのが最大の魅力です。スポーツ写真の初心者にとって、手頃な価格で高画質な撮影が可能になりますが、一方で純正レンズと違いがあることも事実です。性能面での差異や使い勝手の違いなど、あらかじめ把握した上で慎重に選ぶことが、レンズ選びで失敗品ために大切です。コスパ重視ながら、自分のニーズに合った適切な非純正望遠レンズを選べば、思い切り野球やサッカーの撮影を楽しめますよ。